ドンムアン空港からバンカピまで11.5バーツの路線バスで移動


2017年11月25日(土)午後

ほぼ定刻通りに成田国際空港を出発したスクートのTR869便は14時33分、バンコクのドンムアン空港に到着。滑走路でしばらく待機した後、15時前に飛行機を降りることができた。

飛行機から降りて、ムゥッとする熱気に包まれながらターミナルビルに入ると、懐かしさを覚える。

久しぶりのバンコクのドンムアン空港

最後にドンムアン空港を利用したのは、だいぶ前のこと。空港の設備やショップなどは随分、新しくなっているが、記憶にある姿にかなり近い。

ドンムアン空港には、国際線専用のターミナル1と、バンコク国内線専用のターミナル2がある。2つのターミナルビルは通路で繋がっているが、その通路あたりは特に昔の空港の面影を残している。

ドンムアン空港のターミナル1

ドンムアン空港からバンカピまでの移動手段

バンコク初日の宿は、バンコクの中心部から東にいったバンカピにあるサービスアパートのような所を予約していた。バンカピを選んだのは、昔、タイ繋がりの友人がバンカピに家を買って住んでいたため、昔、何度か滞在した場所。約15年でどんな風に変わったのか、見たかったからだ。

今回のタイ旅行では、ドンムアン空港からバンコク市内への移動はエアポートバスを利用することを考えていた。ドンムアン空港と、バンコク中心部にある各所との間は、エアポートバスが4つのルートで運行しているが、非常にコスパが良いのだ。

ドンムアン空港からバンカピまでエアポートバスとセンセーム運河ボートで移動

エアポートバス A1ルート
ドンムアン空港⇔BTSモーチット駅(MRTチャトゥチャック公園駅近く)⇔モーチットバスターミナル
07:00~24:00の間、5分~10分間隔で運行。
料金 一律30バーツ。
エアポートバス A2ルート
ドンムアン空港⇔BTSモーチット駅(MRTチャトゥチャック公園駅近く)⇔戦勝記念塔
07:00~23:00の間、30分間隔を目安に運行。
料金:一律30バーツ。
エアポートバス A3ルート
ドンムアン空港⇔プラトゥーナム⇔ラチャダムリ通り⇔ルンピニ公園。
07:00~23:00の間、30分間隔を目安に運行。
料金:一律50バーツ。
エアポートバス A4ルート
ドンムアン空港⇔カオサン通り⇔サナームルアン(王宮前広場)
07:00~23:00の間、30分間隔を目安に運行。
料金:一律50バーツ。

エアポートバスは4つのルートで運行しており、料金もタクシーに比べて格安。エアポートバスの4つのルート上に、行きたい場所が無い場合は、取り合えずBTSやMRTの駅まで移動。後はBTSなりMRTに乗り継げば、バンコクのほとんどの場所に格安で行くことができる。

そこで、バンカピまで移動するにあたり、まずA3ルートを走るエアポートバスを利用。次いでセンセーム運河を走るボートを利用することを考えた。

具体的には、まずA3ルートのエアポートバスに乗車してバンコク中心部のプラトゥーナムまで移動する。プラトゥーナムからセンセーム運河を走るボート乗り場まで徒歩で移動。センセーム運河を東に向かって走るボートに乗り、ほぼ終点近くで降りればバンカピにたどり着く。

センセーム運河を走るボートは、現在、バンコク中心部にあたるプラトゥーナム桟橋を基点に、東方向に行く路線と、西方向に走る2航路のみが運航している。

プラトゥーナムを基点に東に延びるフェリーの航路は、ニューペチャプリ通りに沿うようにしてソイチットロム、ウィッタユ通り、スクンビット通りソイ3、スクンビット通りソイ21、スクンビット通りソイトンロー(ソイ55)など主要道路と交わる桟橋を通る。

ソイ・プラカノンの手前では左折、つまり北上して、ラムカムヘン通りに沿って進む。地元の大型所tピングモールの「ザ・モール ラムカムヘン」、ラムカムヘン大学、そして「ザ・モール バンカピ」を経由して住宅地域のミンブリーへと至る。

昔、バンカピにいる友人宅に行くまで、何度か利用したルートなので、すんなり移動できるはず。

プラトゥーナムから「ザ・モール バンカピ」までの運河ボートの料金は、25バーツほどのはず。A3ルートのエアポートバスの運賃50バーツと合計しても55バーツでドンムアン空港からバンカピまで移動できる勘定になる。

ドンムアンからバンカピまでタイ国鉄を利用して移動

タイ国鉄を利用すれば、もっと安く移動できるかな、とも考えた。ドンムアン空港の目の前のウィパワディーランシット通りの、さらに向こう側にはタイ国鉄の駅がある。

タイ国鉄の列車に乗れば、バンコクのフォアランポーン駅まで、一番安い3等席なら、たったの5バーツ。ただし、フォアランポーン駅からバンカピまでの簡単な移動手段がすぐに分からなかった。恐らく路線バスが走っていると思うのだが……。

タイ国鉄の運行スケジュールは以下のサイトで時刻表を確認できる。

Timetable & Fares – State Railway of Thailand
※英語・タイ語

ドンムアンからバンカピまで路線バスでダイレクトに移動

やはりエアポートバスでプラトゥーナムまで行くかと思っていたが、ドンムアン空港からバンカピまで、ダイレクトに行く路線バスがあるのではないか? と思いついた。

空港前のウィパワディーランシット通りには、路線バスが何本も通っており、バンコク市内の各所まで格安料金で行くことができる。ネットで調べ見ると、果たして「95n」という路線番号の路線バスが、ドンムアン空港前からバンカピまで行くとある。

本当は、久しぶりにセンセーム運河のボートに乗りたかった気持ちもあるが、路線バス「95n」なら乗り換え一切無しで、バンカピまで行くことができる。

結局、路線バスの利用してバンカピまで行くことにした。

ドンムアン空港を通る路線バスは、以下のサイトで調べることが出来る。いずれのサイトも参考になった。

ドンムアン空港前のウィパワディーランシット通りを走る路線バス

ドンムアン空港のターミナルビル前にウィパワディーランシット通りがある。空港ターミナルビルから、ほんの少しの距離。路線バスの停留所まで歩くことにした。

ドンムアン空港の脇にあるフードコート、マジックフードポイント(Magic Food Point)

路線バスの乗るに当たって、朝から何も食べていないことに気が付いた。そこで、ドンムアン空港のターミナル1の外にあるフードコート「マジックフードポイント」(Magic Food Point)でタイ飯を食べることにした。

外国人旅行者はあまり見かけない庶民的な小さなフードコートで、ドンムアン空港のターミナルビル内にあるレストランよりも、ずっと格安の値段で食事ができる。

記憶を頼りにドンムアン空港のターミナル1の一番右側(北東方向)まで歩くと、1番出口がある。そこを出ると駐車場になっている。

ドンムアン空港ターミナル1の1番出口

15年前も駐車場だったはずだが、こんなに沢山の車は無かった。1番出口付近では、おじさんのタイ人が何人か喫煙している。本当はいけないのだろうが。

駐車場の右側には建物があり、3つの銀行が並んでいる。ドンムアン空港内にある両替所よりも、こちらの銀行の方がレートが良い。

1番出口の前に広がる駐車場を、銀行の前を通りすぎるようにして歩くと、前方に茶色の建物がある。

マジックフードポイントがある建物

その中にマジックフードポイント(Magic Food Point)が入っている。手前には小さなコンビニもある。

ミニフードコート「マジックフードポイント」

マジックフードポイント(Magic Food Point)は、空港に務める職員など完全にタイ人向けの小さなフードコート。7、8軒のタイ飯屋さんが軒を連ねている。

ミニフードコート「マジックフードポイント」内の様子

一応、フードコートなので、料金はクーポンチケット制。入り口近くにあるカウンターで現金を渡すと、金額相当のクーポン券に替えてくれる。店の支払いは、このクーポン券で行う。クーポン券が余れば、再びカウンターで現金に戻してくれる。

ミニフードコート「マジックフードポイント」内のショップ

ミニフードコート「マジックフードポイント」内のドリンクコーナー

チキンライス(50バーツ)を注文。さらに一番、右側にあるドリンク専用カウンターで、アイスミルクティー(35バーツ)を頼む。やっと、やっと、落ち着いた気分になる。

チキンライスとアイスミルクティー@マジックフードポイント

遅めの昼食を食べた後、外に出ると、ちょうど警察官がいたので、路線バスの停留所の場所を聞くと、丁寧に教えてくれた。昔と同じ場所のようだ。

ウィパワディーランシット通りに出るあたりに、タイでロットゥーと呼ばれるミニバン利用者の待機場所もあった。先ほどの警官に、今夜の宿があるバンカピ行きのミニバンもあるのかとと尋ねると、バンカピ行きのミニバンもあるという。

警官にタイ語を読めるかと聞かれる。当然、読めないと答えると、「タイ語が読めないと、ちょっと無理だなぁ」と言われる。ミニバンの横にタイ文字で行き先が書かれてあるだけで、英語での案内は一切ない。ナルホド、タイ語を読めないと、利用はちょっと無理めだ。

ウィパワディーランシット通りに出て、少しバンコク方向に歩くと、昔は無かったファミリーマートがある。ファミリーマートを通り過ぎた辺りにバスの停留所があった。停留所は昔の面影があなりある。確かにこんな感じだった。

ドンムアン空港前にある路線バスの停留所

地元のタイ人たちは、次々と来るミニバンや流しのタクシーに乗車している。やっぱりこちらの方が安いからね。

ドンムアン空港前にある路線バスの停留所付近

停留所で待つと、すぐに路線バス「95n」がやって来た。両手で壊れたバックパックを抱えて乗り込み、金を徴収に来た車掌に、「バンカピ行き?」と確認すると、なんと、このバスは違うという。バンカピ行きの路線バスに乗りたければ、先ほどの停留所まで戻ってと言われる。

まじか? 路線バス「95n」はバンカピに行かないの? と尋ねようとすると、車掌がバスの一番正面に掲げてある「95n」と表示された大きな札を取り外して、まさに別のモノに変えているところ!

これは、どういうこと? 走り始めた後だよ。こんなことってあるのか……。

しょうがないので、次の停留所で降車。空港に向かってトボトボ歩き始めると、途中、バイクタクシーのあんちゃんに、「どこまで?」と尋ねられる。バンカピまでと答えると、先ほどの停留所で待てば、と言われる。

そうだよな。どう考えてもそうだよな。でも、車掌に空港まで戻れ、って言われたんだよ!(号泣)

……どっと疲れに襲われる。今日は、本当に本当に厄日だ。

16時43分頃、やっと「95n」の路線バスが来た。車掌に確かめると、間違いなくバンカピまで行くという。バス料金は11.5バーツ。

路線バス「95n」の切符

路線バス「95n」に乗るのは初めてだったが、空港から少し走ると、左折してラムイントラ通りに入る。やがてプラディットマヌータム通りと交差する地点で右に曲がる運行ルート。暮れゆくバンコクの町並みを見ながら、ぼーっとしていると、約2時間でバンカピに着いた。思ったより時間がかかった。

ザ・モール・バンカピのすぐ近く、小さな店がギッシリ軒を並べたごちゃごちゃした大通りで、他の乗客もぞろぞろバスを降りる。

ザ・モール・バンカピの前付近

場所はハッピーランドマーケットの前辺りで、大型ショッピングモールのザ・モール・バンカピの手前だった。

地図アプリを頼りに、今晩宿泊する「グランド・マンダリン・レジデンス」に向かうが、どうにも道が分からない。すぐ近くまで来ているはずなのに、ソイ(路地)が分かりにくい。

さすがに疲労が限界状態だったので、通りかかったバイクタクシーに、「グランド・マンダリン・レジデンス」を知っているか? と尋ねると、すぐ近くだという。10バーツで行くよ、とのこと。

バイクの後部席のまたがると、ちょっと前に通ったソイに行く。そのソイの先がさらに細い路地となっており、そこにバイクが入って行く。ここの路地を入るのかー、これは分からないなぁ。

とっくに日が暮れた19時頃、ようやく「グランド・マンダリン・レジデンス」に到着。疲れた!

ドンムアン空港前から路線バスするコスト・パフォーマンスは?

ドンムアン空港からタクシーを利用すれば、たぶん1時間ほどで「グランド・マンダリン・レジデンス」に着くハズ。料金は、恐らく高速代金も含めて250バーツ~300バーツぐらいだろう。

あるいはA3ルートを走るエアポートバスを利用してプラトゥーナムまで行き、センセーム運河ボートに乗り換えれば、約1時間30分の所要時間で着くだろう。料金は50~60バーツぐらい。

結局、ドンムアン空港前から路線バスを使って、11.5バーツ+バイクタクシー料金10バーツ、合計21.5バーツで移動できたことになる。

しかし、ドンムアン空港からの移動にかかった所要時間はたっぷり2時間。何より疲労度が違う。もう得したんだが、損したんだか、分からないドタバタの1日だった。

もし、同じことをやるか?と聞かれれば、もうやらない。コストパフォーマンスはそれほどよろしくない。

しかし、初めての経験だったので良しとする。こんなことが出来るのも、お金はないけれど、時間はたっぷりある今のうちだ。